Love Letter
Love Letter (1995年) 監督&脚本:岩井俊二 出演:中山美穂 豊川悦司
今年の夏もとにかく暑い。日曜日にチビたちがお昼寝している間にとなりの部屋でエアコンを強めに効かせて岩井俊二監督の「Love Letter (95')」を観賞した。あまりに暑い日は、こうして真冬の映画で現実逃避したくなる。(爆)
もう10年前の映画なので知ってる人も多いと思うけど、中山美穂、豊川悦司主演の岩井俊二監督の代表作品だ。二役を演じている中山美穂が実に美しい。「ビーバップ...」「毎度お騒がせ...」の頃のミポリンには興味が無いのですが、この作品に描かれている20代のミポリンの美しさは特出するものがある。豊川悦司の演技もユーモラスと爽やかさがのある自然な演技に好感がもてる。映像的にも非常に丁寧な作りで、温かく柔らかい印象で観ている者をぐいぐいとその世界観に引き込んでいく。図書カードなどの小道具の使い方から背景に至るまで使い方の上手さも光る。恋愛映画はチョットと言う男性にも、是非観てもらいたいお勧めの映画です。ありきたりのラブストーリーでは無く、特に終盤の展開ではなんども意表を突かれる。当時、この映画を観終わったあとで、邦画まだまだ捨てたもんじゃ無いなと考えが変わりました。二人の樹の、中学時代の思い出の部分もいい感じです。酒井美紀と柏原崇の演技が初々しくてすごく良い。残念なのはミポリンが二役やっている事が、序盤では若干判りづらいので設定を知らないで観ると混乱するかも...。(笑)
新しい未来に踏み出すために雪山に登り、2年前に遭難して逝ってしまった恋人に向かって「お元気ですかぁ~?私は元気で~す。」と、叫ぶシーンは何度観ても感動を覚えます。こういった映画で泣ける人はピュアな心を忘れていない素敵な人だと思う。この秀作を作った、岩井俊二監督に拍手!!
■作品紹介
神戸に住む渡辺博子(中山美穂)が、山の遭難事故でフィアンセの藤井樹(いつき)を亡くしてから二年がたった。三回忌の帰り道、樹の家を訪れた博子は、樹の卒業アルバムから、すでに地図にはない中学時代の住所を見つけだした。博子は忘れられない彼への思いをいやすために、届くはずのない手紙を出した――。「拝啓、藤井樹様、お元気ですか、私は元気です。」ところが、あろうはずのない返事がかえってきた。やがて、博子はフィアンセと同姓同名で中学時代の同級生、ただし女性の藤井樹が小樽にいることを知る。博子の恋、樹の恋、一通のラブレターが埋もれていた二つの恋を浮き彫りにしていく・・・。